2016年のVR元年以来、ゲームや動画などのVRコンテンツはどんどんリリースされています。以前はPSVRのような比較的高額のヘッドセットが必要でしたが、今は1000円前後のスマホ用ゴーグルで楽しむことができます。
VRが身近なものになってきて、ユーザーとして楽しむだけでなく、VR動画を撮影したいという人もいるでしょう。そこで、この記事では360度VR動画が撮影できるおすすめのカメラをご紹介します。
おすすめの360度VRカメラ5選
360度カメラには非常にたくさんの種類があります。同じように360度撮影ができても、解像度、メモリなどのスペックやデザインにもそれぞれ特徴があります。プロ仕様のものだと数十万円する超高性能カメラもありますが、今回は趣味用にも使えるような、誰でも扱えるカメラを5つ紹介します。
RICOH THETA SC
360度カメラの代表的な存在であるRICOH THETA シリーズから紹介します。
RICOH THETA SCは26600円で購入できるRICOH THETAの最新モデルです。静止画解像度は 5376×2688で、動画映像の品質は Full HD 30fps(最大5分)で、メモリは8GB内蔵です。
RICOH THETA シリーズの特徴としてスマホアプリが非常に高性能な点が挙げられます。撮影してすぐにInstagramのようなSNSにアップができ、PCを使った編集も付属のUSBコードですぐにできます。コストパフォーマンス重視で360度カメラを購入したい方にはおススメの製品です。
RICOH THETA S
続いてもRICOH THETA シリーズのRICOH THETA Sです。こちらは先ほどのSCの上位互換といえるようなカメラになります。具体的には動画の撮影時間とライブストリーミング機能です。
動画撮影時間はSCでは5分間でしたがSでは25分間となっています。また、ライブストリーミングはSでのみ可能です。価格は33979円です。その他の性能はSCとほぼ同じなので、動画配信やライブストリーミング配信を行いたい人はこちらを購入すると良いでしょう。
Samsung Galaxy Gear 360
次はSamsung Galaxy Gear 360です。少し変わったデザインになっており、ここは好みの分かれそうなところです。静止画解像度は5472×2736で動画映像の品質は4096×2048(24fps)になっています。メモリはmicroSDカードを使用します。価格は現在中古品のみ購入可能で25000円です。
RICOHシリーズに比べるとアプリの完成度はやや落ちますが、256GBのSDカードが使用できることやバッテリーの持ちが良いところがメリットになるでしょう。
<Samsung Galaxy Gear 360の購入はこちら>
Insta360 ONE
続いてはInsta360 ONEです。静止画解像度は 6912×3456(7K)で動画映像の品質 は3840×1920(30fps)です。SDカードを利用した大容量メモリとスマートなデザイン、操作性の高さが魅力です。
iPhoneやiPadにLightning接続で直挿しすると自動でアプリが起動し、すぐに撮影・編集・SNS投稿が可能です。また、大きな特徴として撮影者を違う角度から撮影したような「バレットタイム撮影」があります。値段は42999円と少し高くなりますが十分それだけの性能を持っているカメラといえます。
360fly 4K
動画撮影のみに特化していたカメラ360flyのスペック強化版が360fly 4Kです。静止画撮影も可能になりました。
今回紹介するカメラの中でも最高レベルのスペックを誇ります。静止画解像度が3,456×3,456で動画映像の品質 が2,880×2,880(30fps)で、内蔵メモリも64GBと大容量です。モバイルアプリでその場での編集、投稿はもちろん可能です。デスクトップアプリを利用すると、映像に効果や演出を加えるなどの高度な編集も可能です。防水、防塵処理が施され、衝撃にも耐性があります。
趣味で使う360度カメラとしては最高クラスです。ただし値段は59400円とかなり高価になっています。
VRに360度の動画は本当に必要なのか?
VR撮影をするカメラとして、360度カメラを紹介してきました。現在、VRは360度動画を使用するのが主流です。しかし、そもそも本当に360度の動画が必要なのでしょうか?
その疑問に対し、Googleは「VR180」という考えを示しています。
Googleが提唱する「VR180」とは
Googleは「VRに360度はいらない、180度で十分」という結論に行き着きました。VR動画を見ているユーザーが真後ろを含めた360度の映像を求めているかと問えば、そんなことはない、という見解から行き着いた考えです。
VR180はユーザーニーズのみから考えられたわけではありません。360度カメラは撮影者自身が映像の中に映りこんでしまうといった撮影上の問題があり、また編集には専用アプリが必要になるため初心者には扱いづらい面があります。
VR180では前面のみ撮影可能な180度カメラを使用することで、撮影者が映り込む問題を解決し、通常のカメラと同じ撮影方法となり、初心者にも扱いやすくなります。また、画像を引き延ばす必要があった360度カメラに比べ高解像度を保ちやすくなります。Googleの見解ではVR180フォーマットでは編集時も通常の動画編集ソフトで可能になる見込みです。
180度カメラの開発は進んでいる
VR180対応カメラはレノボの「Mirage Camera」と、YIの「Horizon VR180 Camera」の2機種が2018年春以降発売予定です。両方とも日本での発売は未定です。
180度カメラはレンズが2つついており、両眼視差を利用した立体映像の撮影が可能です。これにより、奥行きのある立体的なVR映像の作成ができます。
VRカメラが360度カメラから180度カメラに移行していくことは多様な顧客のニーズに合わせた結果といえます。決してネガティブな変化ではなくVRコンテンツの作成に関する柔軟な変化であるといえるでしょう。
360度カメラはアングルを後から決められる動画撮影ツールへ
VR180が定着したら360度カメラは廃れてしまうのかというと、そんなことはありません。360度カメラは、アングルを撮影時ではなく編集時に決められるツールとして使用されるのではないかと言われています。
スポーツや動物の映像などは、いつどこでどのようなシーンが撮れるのか読みづらく、通常のカメラでは決定的瞬間を取り逃がしてしまう可能性があります。あらゆるアングルの映像を撮影できる360度カメラであれば、撮影後に必要な映像を編集・加工することができます。
今後もVRカメラとしての用途は続くでしょうが、並行して「アングル後決めカメラ」という考え方が広まっていくのではないでしょうか。
まとめ
360度カメラは通常のカメラと異なる撮影方法が必要になりますが、残しておきたい風景をあらゆる角度から残しておくことのできるカメラです。VR映像自体は180度カメラでも作成できますが、全てのアングルから映像を見られるのは360度カメラだけです。ぜひVRにこだわることなく使ってみてください。