「Laval Virtual」は毎年フランスで開催されている、世界最大のVRとARのイベント・展示会です。2018年は4月4日〜8日に開かれ、非常に多くの出展者・来場者が訪れました。
Laval Virtualについて、その概要や2018年の様子をご紹介します。
Laval Virtualとは
Laval Virtualは、VR技術を中心とした最先端のテクノロジーとそのユーザーが集まる世界最大の祭典です。1999年よりフランスのラバル市で開始しました。
始まりは町おこしです。ジャック・シラク大統領時代に、この地域の知事も務めた産業大臣がデジタル技術での町おこしを図ったのがスタートとなります。VR関連の企業や研究所、大学機関などを誘致し、最先端のVRコミュニティを牽引するイベントとなっています。
ビジネスDayと一般Dayの二部構成
Laval Virtualは、主に企業などが対象のビジネスDayと、一般来場者が対象の一般Dayとに分かれます。2018年は、4月4日〜6日がビジネスDay、4月7日〜4月8日が一般Dayでした。
ビジネスDayでは用いている技術やプラットフォーム、ゲームエンジン、リリース時期といったTech系の質問が出やすく、一般Dayでは地元の親子連れやカップル、周辺国のエンジニアなどの参加が多いのが特徴です。
20周年の2018年は前年をさらに上回る規模に
2018年は記念すべき20周年目で、4月4~8日に開催されました。LAVALの街全体で7つの建物を用いて開催しており、企業出展ブース以外ではAR・VRを用いた映像出展などが行われました。
9,000平米の会場に323の出展団体数、来場者18,400名(業界関係者9100 名、一般来場者 9300名) という規模で、文字通り世界最大規模のコンベンションとなりました。
2017年 | 2018年 | |
会場規模 | 8,000平米 | 9,000平米 |
来場者数 | 17,700名 | 18,400名 |
出展団体数 | 250団体以上 | 323団体 |
2018年Laval Virtual 会場の様子
それでは、2018年のLaval Virtualの様子を見ていきましょう。会場に向かう途中には、来場者を歓迎するWELCOMEの文字がありました。
2018年Laval Virtual 出展ブースの様子
DeNA:VoxElのブース
現在開発中のステージクリア型謎解き&バトルゲーム「VoxEl(ボクセル)」のブースには、約200名の来場者が実際にVoxElを体験しました。
開発中のプロトタイプ動画がこちらです。
Microsoft:HoloLensのブース
Microsoft HoloLens はデジタルコンテンツへのアクセスと世界中のホログラムとの対話を可能にする、自己完結型ホログラフィックコンピュータです。
Microsoft HoloLensの動画はこちらです。
その他のブース
バランスボードを用いたスノーボードシミュレーターのブース
風を再現したフライトシミュレーターのブース
ホログラフィーのブース
円形カメラを用いたフライトシミュレーターのブース
日本と海外でのVRに対する認識の違い
世界最大のVRイベント「Laval Virtual」では、日本と世界各国におけるVRへの認識の違いが見て取れました。その一部をご紹介します。
ゲーム中心ではなく医療や災害対策への技術活用
日本でのVRコンテンツはゲームやエンターテインメント関連が中心となっていまが、海外の出展者は医療や災害対策といった方面にVR技術を活用していました。
例えば医療であれば外科治療と歯科治療のシミュレーション、災害対策であればパラグライダーなどの特殊な移動方法のシミュレーションといったものです。
【参考記事:VR技術の医療現場での応用・活用事例をご紹介】
現実では不可能なものをVRで実現するアプローチ
日本でのVR活用は、ゲームや動画の世界に深く入り込み、その没入感を楽しむというアプローチが中心です。一方で海外では、身体的に難しいスポーツや危険な状況の体験といった、現実では不可能または非常に難しいことをVRでなら実現できる、というアプローチが多いように見受けられました。
まとめ
いかがでしょうか。世界最大のVRイベント「Laval Virtual」はVRブームが到来するよりもずっと前から開催されており、2018年で20周年を迎えました。その出展団体も来場者も増え続けています。今後もより注目を集め、最新技術を披露したり相互に刺激を受けたりする場として発展していくことでしょう。