Oculus Goは、Oculus社が開発したオールインワンVRヘッドセットです。海外ではすでに発売されていましたが、日本でもついに発売されました。
そこで、この記事ではOculus Goの特徴や対応コンテンツ、価格や使い方などについて説明します。
Oculus Goとは?
Oculus Goはスタンドアロン型ヘッドセットです。PC用VRヘッドセットの代表格であるOculus Riftを開発したOculus社によって発表されました。
Oculus RiftはPCにつなぐことでVRコンテンツをディスプレイに映し出し、VR体験ができるヘッドセットです。Oculus Riftに限らず今までのVR体験ではPCやスマホのようなデバイスが必要でした。
しかしOculus Goはデバイスを必要としないヘッドセットです。これがOculus Goが話題となった最も大きな理由で、単体でVR体験ができるようになっており、Oculus Rift使用の際に必要だった有線による接続なども不要になり、手軽に高精度なVR体験ができるようになっています。
Oculus Goは2017年10月に発表され、初のスタンドアロン型VRヘッドセットということでVRファンの間で販売開始が心待ちにされていました。アメリカ時間の2018年5月1日、日本時間の2018年5月1日についに販売が開始され、Twitterのトレンドにも上がるほど話題となっています。
【参考記事:Oculus RiftはVRブームの火付け役となったHMD】
Oculus Goの特徴
Oculus Goは今までのPC、スマホ用VRヘッドセットと比べてどんな違いがあるのでしょうか。デバイスの有無の差のほか、解像度やリフレッシュレートなども気になるところです。他にもいくつかの特徴を例に挙げながら、Oculus Goのスペックを確認していきます。
PC不要なオールインワンVRヘッドセット
先述した通り、Oculus Goはデバイス不要のヘッドセットです。VR体験をするための機能が一つにまとめられている一体型ヘッドセットなので、「オールインワンヘッドセット」と呼ばれることもあります。
Oculus Riftなどを使用したPCに接続するタイプのVRでは、コード接続やトラッキング用のセンサーを設置する手間があります。また、それらの設置がかなり大掛かりなものとなるため、スペースも広くとる必要がありました。
Oculus Goは接続の手間が省けるだけでなく、プレイエリアもそこまで広くとる必要がありません。さらに一体型でありながら体験の精度も今までのハイエンドVRに匹敵するものになっています。より手軽に高精度なVR体験を可能にしたヘッドセットです。
高品質なスペック
Oculus Goの魅力は、手軽なVR体験ができることだけではありません。他のVRヘッドセットと比較した際のスペックもかなり高水準です。ここでは解像度やリフレッシュレートを始めとした性能を確認していきます。
Oculus Goは2560×1440の解像度であるWQHD液晶パネルが両眼に使用されており、レンズにはOculusの次世代レンズを備えることで、鮮明で視野の広い映像を映し出すことを可能にしています。
映像の乱れを軽減し、滑らかな動きの指標として使用される値であるリフレッシュレートは、コンテンツによって60Hzもしくは72Hzで動作します。一般的にストレスを感じない標準的なリフレッシュレートは60Hz以上とされているので、問題なくVR体験をすることが可能です。
装着時の快適さに影響する重さですが、Oculus Goは他のVRヘッドセットと比べてもコンパクトなサイズで、多くの機能を備えたオールインワン型でありながら468gという軽さです。Oculus Riftが470gですので、重量に関してもかなり良い性能であるといえます。
操作は主にコントローラーで行います。Oculus Riftのようにハンドトラッキング性能の付いたコントローラーではなく、ポインターを動かして操作するリモコンタイプのコントローラーが同梱されています。スマホVRでよく使われるコントローラーと似ています。
最後に充電方法と持続時間ですが、充電はマイクロUSBポートで行います。アメリカ向けに販売されたものには充電用ACアダプターが同梱されていますが、日本で発売されるものにはついていませんので、10W(5V 2A)のACアダプターの別途購入が必要となります。持続時間はおよそ2時間程度です。コンテンツによって電気消費量が異なるため、ゲームなどを行う場合はもう少し短くなることが予想されます。一方で、映像視聴程度であれば2時間半程度持続可能と公表されています。
スピーカー内蔵でイヤホン不要
Oculus Goにはスピーカーがあらかじめ内蔵されているため、ヘッドホンやイヤホンを接続する必要がありません。そのままの状態で立体音響によってVR体験をすることが可能です。音は装着時に自分の耳の近くに当たる部分から出るようになっているので違和感のない音響体験が可能になっています。
接続する必要はありませんが、自分のイヤホンやヘッドホンをイヤホンジャックに接続することもできますので、より高精度の音質を求める方は使用してください。
メガネをかけたまま使用可能
Oculus Goは幅が広く、メガネ着用のままでもほぼ問題なくVR体験が可能です。そのままではメガネやレンズにキズが付くのが不安という方もいるかもしれませんが、同梱のパーツの中に、メガネとレンズの接触を防ぐクッション材も用意されていますので安心してメガネ着用のままVR体験をしてください。
ポジショントラッキング機能はナシ
VRコンテンツにはセンサーを使ってプレイヤーの動きを感知するトラッキング技術が使用されています。Oculus RiftなどのハイエンドVRヘッドセットにはプレイヤーの位置を感知して現実世界の身体の動きとVR空間内の身体の動きを一致させるポジショントラッキングが使用されていますが、Oculus Goはポジショントラッキングが付いていないので、身体の動きを反映させることはできません。そのため、ゲーム系アプリなどは主に座った状態でコントローラーを使用してプレイすることが基本となります。
ヘッドトラッキングには対応していますので、自分の頭の動きをVR空間内に反映させて視界を変化させたり、全方位を見渡したりすることは可能です。
Oculus Storeの1000以上のアプリ・コンテンツに対応
Oculus Goはスマホ用VRヘッドセットの代表格であるGear VRと互換性があり、Gear VRに対応しているOculus Storeのコンテンツを楽しむことができます。そのため、本体発売直後から1000以上のアプリやコンテンツが用意されています。無料のアプリもありますが、数百円から数千円で購入可能なアプリが多いです。
VRといえばゲームを思い浮かべる方も多いと思われますが、手軽なVR体験ができるOculus Goでは、ゲームよりもNetflixやHuluのような動画アプリなどがおすすめです。VR空間内の巨大スクリーンで視聴ができるため、映画館で見ているかのような臨場感で映画を見ることができます。しかも座りながらではなく、寝転がっていても可能です。
VRは現実であるかのように感じる体験ができることが一番大きな魅力です。その意味では、座った状態でリモコン操作するVRゲームがメインのOculus Goは、VRゲーム機として使用するのでは、その魅力を極限まで発揮しきれていない感があります。映画だけでなく、世界遺産を撮影した映像や海底、火山といった現実ではなかなか体験できない景色の360度動画など、2Dでしか今まで視聴できなかったものを臨場感あふれる3Dで手軽に再生し視聴できる機器として利用するのが良いといえます。
Oculus Goの価格と購入方法
Oculus Goは現在公式サイトやAmazonから購入することが可能です。メモリが32GB のものと64GBのものの2種類があり、それぞれの価格は税込みで23,800円と29,800円です。
購入の際の支払い方法はクレジットカードもしくはPayPalのみとなっています。その他の支払い手段は2018年5月現在ではありませんので、支払い手段のない方は準備の必要があります。
Oculus Goの使用方法
Oculus Goはオールインワンヘッドセットですが、セットアップにはOculusの無料アプリをダウンロードしたBluetooth接続が可能なスマホやWi-Fi環境が必要になります。
スマホをOculus Go本体とペアリングさせ、接続したいWi-Fiスポットを設定します。その後はアプリの指示通りに設定を行っていけば難しいところも特になく、セットアップが完了します。
途中で注意事項などの説明がありますがそれを確認し終えたらセットアップ完了です。その後はGear VR対応のコンテンツが体験できるようになるので、好きなアプリをストアで選んでVR体験を始めてください。
まとめ
Oculus Goは手軽なVR体験を可能にしたスマホ用ヘッドセットの延長にあるともいえる最新のヘッドセットです。Oculus社はさらにポジショントラッキングに対応した「Santa Cruz」という一体型ヘッドセットの開発も進めており、こちらが完成すれば一体型でハイエンドの体験ができるようになるでしょう。
Oculus Goの発売開始は、VRがより身近になる世界に一歩近づいたことを示す大きなニュースになったといえるでしょう。