敷居が高いイメージのあったVRも、体験できる施設が増えてきたことから少しずつ身近なものになってきています。そのひとつとして、VRを取り入れた新しいスタイルのカフェや、VRを導入するネットカフェも出てきました。
そこで、VRを楽しめるカフェ・ネットカフェをご紹介します。
VR/ARゲームを楽しめるカフェ&バー「VREX」(東京/渋谷・新宿)
都内のおしゃれなカフェ&バーでVR/ARゲームを楽しめる施設が2018年3月30日にオープンしました。「VREX」というバーで、飲食とVR体験が同時にできるちょっと変わったお店です。VR体験施設というとゲームセンターのようなイメージが強いですが、お酒も楽しめる施設ということで、少し大人な雰囲気でも楽しむことができます。
約30分間のすごろくゲームをVR空間内で遊ぶことのできる「バーチャルライフ」や、ARを使用してエナジーボールを相手に向かって打ったり、ガードをして相手からの攻撃を防いだりすることのできる新感覚スポーツ「HADO」などをはじめとした多くのコンテンツが用意されています。
VR/ARゲームの体験だけでなく、飲食ももちろん可能で、空き時間には他の人のプレイを見ながら、みんなで飲み会やパーティーをして待つことができます。
年末年始以外は新宿、渋谷両店舗とも毎日23時半までお店が開いています。友人を誘ってみんなでVR/ARゲームとドリンク&フードを楽しんでください。
カフェとVRの融合「THE VR ROOM KYOTO」(京都)
続いては2018年5月16日にグランドオープンしたばかりのカフェ「THE VR ROOM KYOTO」を紹介します。
IIAC(イタリア国際カフェテイスティング協会)認定エスプレッソイタリアーノテイスターのこだわり抜いたコーヒー、ラテ、スムージー、フードなどのメニューと、コンクリート打ちっぱなしの壁にプロジェクションマッピングでオリジナルキャラクターが映し出される、ゆったりとした空間でVRを楽しむことができます。
VRゲームプラットフォーム「V-REVOLUTION」を開発した株式会社クラウドクリエイティブスタジオが新事業として立ち上げたカフェで、体験できるVRコンテンツは「V-REVOLUTION」の3種類のゲームです。
また、ラテを注文すると、ラテアートチャンピオンの大西剛バリスタ監修により考案されたラテアートも楽しめます。
コンクリート壁が生み出す落ち着きとVRが作り出す少し不思議な雰囲気が共存する店内で、こだわりのメニューとVRを体験してください。
【期間限定】テイルズ オブ VRカフェ(大阪・名古屋)
大人気ゲーム「テイルズシリーズ」のキャラクターたちと一緒にカフェで会話するVR体験ができる期間限定カフェが2018年3月1日~2018年4月15日に東京・秋葉原の「アニON STATION AKIHABARA」にて開催されました。このカフェが大好評となり、名古屋と大阪・なんばのアニON STATIONでも開催が決定しました。期間は2018年6月7日~2018年7月8日です。
このカフェでは90分間の体験が可能となっており、入場の際には「NORMAL」「SPECIAL」「LIGHT」の3種類からコースを選択できます。お試しが「LIGHT」、通常は「NORMAL」、全力で楽しみたい方は「SPECIAL」コースを選択すると良いと思います。
特別ゲストとしてテイルズの人気キャラクターの一人が体験者の前に座るのですが、キャラクターが毎回変わるため、2度目以降を体験するときも新鮮な気持ちで楽しめるでしょう。コース内容は「入場料」「基本VR」「1オーダー」が全コースに共通です。基本VRでは特別ゲストの質問に答えながらメニューを決めてもらうことができます。
「NORMAL」では特別ゲストと体験者が指名したキャラクターの2人が目の前で会話をする「VRスキット」が体験できます。スキット中には体験者にキャラクターが話しかけてくることもあります。「SPECIAL」ではVRスキットに加えて「VRおみやげ」が追加されます。入場時にチケットが手に入り、スキット中に特別ゲストキャラクターに「おみやげ」を渡すことができ、お返しとして特別ゲストから「プレゼント」をもらうことができます。
最後に90分のVR体験が終わると入場特典としてオリジナルイラストカードがもらえます。テイルズシリーズファンには最高のVR体験となるでしょう。ただのVR空間内で終わるゲームではなく、VR内でもらったプレゼントが現実世界で手に入る体験はなかなかできません。期間限定ですが、興味のある方は足を運ぶ価値があるイベントです。
気軽にVRを体験できるネットカフェ5選
先述したようなカフェのほかに、ネットカフェでもVR体験のできる施設が増えてきています。ネットカフェは一人で入店する方も多いので、ヘッドセットを被って一人の世界に没入できるVRとは相性が良いのかもしれません。ここではVR体験のできる代表的なネットカフェを紹介します。
自遊空間(全国)
最初に紹介するのは漫画喫茶・ネットカフェとして全国に展開している自遊空間です。ここでは通常のネットカフェのスペースとは別にVR席が用意されています。店舗ごとにヘッドセットの種類が違い、Gear VR、HTC Vive、FOVEの3種類のヘッドセットが用意されています。
Gear VRとFOVEは多くの店舗に用意されていますが、HTC Viveは2018年5月現在全国に6店舗のみです。体験したいヘッドセットとその対応店舗に間違いが無いよう、確認しておいてください。
また、ネットカフェに多く展開しているVR作品無料視聴サービスである「VRカフェ」も自遊空間の店舗に設置されています。スマホを用意していけばVRゴーグルは店頭で貸してもらえます(店舗ごとに貸し出されるゴーグルは異なる場合があります)。
推奨端末はiPhone6以降のシリーズまたはAndroid6.0以降のシリーズです。約1000作品のVRコンテンツが用意されていますのでこちらもぜひ確認してみてください。
快活クラブ(全国)
続いても全国展開しているネットカフェ、快活クラブです。ここではネットカフェ専用のVR体験サービス「VIRTUAL GATE」や、ネットカフェやホテル、ゲームセンターなどでVR体験のできる店舗常設型サービス「VR THEATER」が体験できます。
VIRTUAL GATEはヘッドセットにFOVEを使用しており、コンテンツも500以上の多様な体験が可能になっているサービスです。体験の際は対象店舗で300円のレンタル料を支払うだけです。ただし、コンテンツには無料コンテンツと有料コンテンツがあるため、有料コンテンツを楽しみたい場合には別途費用が掛かります。
VR THEATERはその名の通りバーチャルリアリティ映画館とも呼びます。Gear VRとヘッドホン、フェイスマスクを店舗で受け取り、体験するサービスです(貸出方法が店舗により異なる場合があるので詳細は各店舗にお問い合わせください)。
こちらも有料コンテンツがあり、店頭で600円あるいは300円のVR視聴体験チケットを購入すると視聴が可能となります。また、有料コンテンツはチケット購入後に視聴時間の制限があるので注意してください。
攻殻機動隊、進撃の巨人など有名アニメをはじめ、マンガの世界の冒険やアイドルライブの体験などVRでしか体験できないコンテンツが20種類以上用意されています。
快活クラブでは2018年2月より、「VR THEATER見放題プラン」をスタートしており、一回当たり900円で対象の13作品が見放題になっています。
アイ・カフェグループ(全国)
今回紹介するネットカフェの中でVR体験可能な店舗が全国にあるグループとしては最後になるのが「アイ・カフェグループ」です。ここでも、VR THEATERとVRカフェが楽しめるようになっています。VR THEATERではGear VRの貸し出しが行われ、VRカフェではPico1SもしくはポケットマウントというVRゴーグルが貸し出されます。VRカフェを体験するときはスマホの用意をしておいてください。やはり貸し出されるゴーグルの種類は店舗ごとに異なります。
全国展開しているとはいえ、VR体験の可能な店舗は東北地方以北では宮城県に固まっていますので、その地域に住んでいる方は注意してください。
アプレシオ(東京・神奈川・広島)
続いてはアプレシオです。全国展開をしているグループですが、VR体験可能な店舗は現在、東京・神奈川・広島の3地区に集中しており、「新宿ハイジア店」「ららぽーと豊洲店」「Lite溝の口駅前店」「広島駅前店」合計4店舗です。
この4店舗でもVIRTUAL GATEとVRカフェが楽しめます。まだ全国の店舗数に比べてVR体験可能な店舗数が少ないグループなので、今後さらに増えていくことが期待できるでしょう。
アリカフェ(島根)
最後に紹介するのは島根県を拠点としてDVD・CDレンタル、トレカ販売、インターネットカフェ、ホテル等の事業展開をしている株式会社アリオンの運営する「アリカフェ」です。
ここでは島根県の4店舗でVRカフェが体験可能となっています。体験方法は他グループの店舗と同じように店頭での貸し出しとなります。
VR体験可能なネットカフェは全国展開している大手グループに多いですが、地元に強い企業の中にも積極的に導入を始めているという好例だと思います。地方でのVR施設の盛り上がりはこのような地元企業にかかっているかもしれません。
まとめ
ネットカフェで体験できるVRはかなりコンテンツが似ているところも多いですが、初めに紹介した3つのカフェは空間を生み出すVRの良さを生かし、そのカフェ独自の雰囲気を作り出しています(テイルズカフェはやや特殊ですが)。これらの店舗のように単純にVRコンテンツを楽しむ場としてではなく、VRの特性を利用して人々の体験に影響を与える空間が増えていくことが非常に楽しみです。