AR動画とは、チラシやカードなどの印刷物にスマホを向けるとそこから飛び出してくる動画のことです。文字や画像だけでは伝えきれない情報を伝えることができます。
この記事では、AR動画の再生方法や作り方について説明します。
AR動画とは?
AR動画はその名の通り、AR(拡張現実)技術を用いた動画です。スマートフォンなどのカメラを用いて特定のものや場所をディスプレイに映し出すと、ARによってそのものや場所に情報が付加されます。
現在は特に「広告」として使用されることが多く、カタログの商品をスマホカメラで映すと商品情報が表示されたり、実際に商品を使用している感覚を疑似体験したりすることが可能になっています。また、カタログだけでなくポスターなどからAR動画を視聴することも可能です。
例えば、イギリスの自動車メーカー「Land Rover」は自社の車のカタログにAR動画機能をつけており、カタログ内の特定のページをスマホカメラで映すとその車でドライブをしているような体験のできる動画が流れ始めます。「Land Rover」はこの広告機能を取り付けてからわずか1週間で66,000件のインタラクションを獲得しました。大きな広告効果があったものと思われます。
また、広告のほかにも単純に楽しむことのできるコンテンツとしてAR動画が使用されることもあり、例えばスマホをかざすと絵画が動き出す美術館や、塗り絵にタブレットをかざすと音が鳴ったり、絵が飛び出したりする子供向けの絵本などがあります。
他にも市や区などが発行している広報などの写真がAR動画に対応していることもあります。ぜひお住まいの地域でAR動画を使ったコンテンツが用意されているかどうか確認してみてください。
AR技術がいろいろな場面で使用されるようになってきているため、このような試みが増えてきています。非常に面白く、興味を惹かれる方も多い技術ですので、今後ますます増えていくことが予想されます。
AR動画の再生方法
AR動画は現在多くの企業や公的機関で利用されており様々な種類がありますが、多くの動画でほぼ同じ再生方法をとることができます。ARマーカーと呼ばれるQRコードのような図形が用意されているので、対応アプリでそれを読み込むという方法です。順を追って確認していきましょう。
対応のAR動画再生アプリをダウンロード
対象となるものや場所に説明がされていることがほとんどですが、それぞれのAR動画コンテンツには対応アプリが存在していることが多いです。初めにスマホやタブレットにそのアプリをダウンロードして、AR動画の再生環境を整えてください。
アプリを起動してARマーカーに向ける
対応アプリのダウンロードが完了したら、アプリを起動してARマーカーをカメラに映し、読み込みを開始します。読み込みはQRコードを読み込むときと同じようにカメラをかざすだけで大丈夫です。読み込みが完了するとARコンテンツが画面上で再生されるのでAR動画を楽しんでください。
AR動画の作り方
最後にAR動画の作成方法について簡単に説明をします。AR動画作成は現在、技術者ではない素人にはややハードルの高いものとなっています。
以前はAR動画作成にはドイツのmetaio 社が提供していたmetaio Creator やjunaioというARコンテンツ作成アプリを利用する方法が一般的で比較的簡単に作成可能だったのですが、2015年にmetaio社がApple社に買収されたことをきっかけにARコンテンツのサービス終了を発表し、現在では上記アプリのダウンロードが不可能となっています。
サービス終了前に上記のアプリをダウンロードしておいた方は一部機能制限があるものの現在もアプリを使用してARコンテンツを作成することが可能ですが、新規参入はできません。
metaio Creator やjunaioに代わるサービスとして現在「COCOAR」というARコンテンツ作成サービスが出てきています。COCOARではアプリを通して紙媒体をスキャンすることで電子ブックやWEBサイト、動画などをスマホやタブレット上で音楽や動画、画像を再生することができるようになります。また、任意の画像をARマーカーに設定することも可能です。
主に企業や公的機関などでサービスが利用されており、ビジネスシーンで使用することが多いですが、個人での使用も可能です。ARコンテンツ作成には費用が多くかかるため、大手企業などでしか作成ができないことも多かったのですが、COCOARでは月額1,000円からAR動画作成が可能となっているため安価での作成ができることが大きなポイントとなっています。(初期設定費用として別途5,000円必要です。)
COCOARなどのサービスはありますが、現状ではAR動画を無料アプリでお手軽に作成ということは残念ながらできません。とはいえARコンテンツに力を入れている企業も多く出てきていますので近い将来、簡単にAR動画作成ができるアプリ、サービスが出てくる可能性は十分にあるといえるでしょう。
まとめ
本記事ではAR動画について説明をしました。いろいろなところでARコンテンツが見られるようになっている現在、AR動画はビジネスシーンにおいて欠かせない存在となりつつあります。一方、個人での作成というのは難易度が高く、費用も掛かることが多いため簡単ではありません。誰もが手軽にAR動画を作成し、町中にARがあふれる時代になるのを期待しましょう。