2016年の「VR元年」以降、VRコンテンツは増加しており、すでに体験された方も多いのではないでしょうか。
まだ体験したことがない方にとって、VRは敷居が高い印象かもしれませんが、スマホ対応のゴーグルさえあれば、VR動画やアプリはスマホで簡単に楽しむことができます。ゴーグルも安価なものは1000円前後で購入でき、VRはすでに身近なコンテンツになりつつあります。
ここでは、スマホ対応VRゴーグルを選ぶための比較ポイントや、おすすめゴーグルをご紹介します。
VRゴーグルとは
VRゴーグルとはVR体験をするためのツールです。VRメガネと呼ばれることもあります。PC、ゲーム機やスマホなどのデバイスとゴーグルを接続することでVR動画などのVRコンテンツを楽しむことができます。
VRゴーグルにはPC用とスマホ用のものがそれぞれあります。PC、ゲーム機用ゴーグルはハイエンドとも呼ばれ非常に質の高いVR体験をすることができますが、値段も非常に高く気軽に手に入れられるものではありません。この記事でご紹介するのは、ゲーム機用に比べて安価で手軽にVR体験ができるスマホ用ゴーグルです。
スマホ対応VRゴーグルの特徴
スマホ対応VRゴーグルはその名の通りスマートフォンをデバイスとしてVR体験をするものです。先ほども述べた通り安価で手軽に手に入りますが、それで本当にちゃんとしたVR体験ができるのか不安になる方もいるかもしれません。それではスマホ対応VRゴーグルの特徴を確認しておきましょう。
使い方はアプリを入れたスマホをセットするだけ
スマホ用ゴーグルの使い方は非常に簡単です。特別な操作は必要ありません。あらかじめスマホにVR動画やVRアプリなどのコンテンツをインストールしておきます。その後、ゴーグルにスマホをセットするだけです。そのままゴーグルを被ればVRの世界へ入ることができます。
安価で手に入る
スマホ対応ゴーグルの価格の幅は、1000円前後~16740円です。そのうちほとんどのものは数千円台で手に入ります。一方でPC、ゲーム機用のハイエンドゴーグルは確実に数万円かかります。50000円以上出さないと手に入らないものもあるので、スマホ用のものに比べて非常に高価です。安価でVR体験ができるのもスマホ対応ゴーグルの大きな魅力です。
十分に綺麗な映像を見ることができる。
スマホ用ゴーグルで見ることのできるVR映像は、PC、ゲーム機用のハイエンドゴーグルに比べると見劣りはしますが、それでも十分綺麗なものです。ただし、映像の質はゴーグルだけではなくスマホのスペックにも影響されるので、より良質なVR体験がしたい場合は性能の良いスマホに変えるのも一つの方法です。
スマホ対応VRゴーグルの9つの比較ポイント
スマホ対応VRゴーグルには非常に多くの種類があります。それぞれ特徴が違うので、購入する際には比較して自分に合ったものを選ぶ必要があります。ここでは比較の際のポイントを9つ紹介します。
- 価格
- 対応機種・対応インチ
- コンテンツプラットフォーム
- 解像度
- 視野角
- 操作リモコンの有無
- メガネ着用での使用可否
- ヘッドフォン内蔵の有無
- 焦点距離の調整可否
価格
まずスマホ対応VRゴーグルの価格を比較してみましょう。
例えばGALAXYスマートフォンに対応しているGear VRはリモコン付きの新品で16740円です。Gear VRはスマホ対応VRゴーグルの中で最も高価なゴーグルです。一方で、安いゴーグルとしてはGoogle Cardboardなどのダンボール製のゴーグルがあります。こちらは数百円から1000円程度で手に入ります。そのほかのゴーグルは2000~3000円程度の価格帯のものが多いです。
対応機種・対応インチ
2番目のポイントは対応機種と対応インチです。例えば先ほども例に挙げたGear VRはGALAXYスマートフォンに対応したゴーグルなので他のスマホでは使用できません。また、2017年12月にGoogleから発売されたゴーグルDaydream ViewではGalaxyS8、Galaxy Note8、Pixel2などいくつか対応の機種があり、それ以外の機種では使用できません。
また、スマホの機種だけでなく、スマホのサイズに影響されることもあります。例えばDMMが発売したゴーグル、DMM VR 動画スターターセットでは対応機種はありませんが、4,7~6インチのスマホに対応しておりそれ以外のサイズのスマホでは使用できません。そのほかのゴーグルにも本体サイズによってそれぞれ対応サイズがあり、そのサイズのスマホでないとVR体験はできません。
アプリプラットフォーム
スマホ対応VRゴーグルのアプリプラットフォームはほぼ全てGoogle PlayやApp Storeなどですが、例外としてGear VRはOculus Home、Daydream ViewはDaydreamをアプリプラットフォームとしています。この2つはプラットフォームが決まっているので押さえておきたいところです。
解像度
VRを楽しむために必要な解像度も気になるポイントです。解像度とは画質の密度のことです。画面に映る映像は多くの点からできており、その点の数が多ければ多いほど綺麗な映像となります。解像度が不明なゴーグルも多いですが、Gear VRの解像度は2560×1440で他のスマホ対応ゴーグルに比べると頭一つ抜けています。
ただし、解像度はゴーグルだけでなくデバイスに依存する部分も大きいです。スマホのスペックにも大きく依存することは覚えておいた方が良いでしょう。
視野角
視界の広さを表す視野角もVR体験に大きな影響を及ぼします。広ければ広いほど良いものといえるでしょう。
スマホ対応ゴーグルの視野角はわかっていないものも多いですが、わかっているものではGear VRは101°、HOMiDO V2は103°になっています。およそ100°前後のものが多いようですが、ヘッドフォン搭載のConbor製のゴーグルは120°の視野角になっています。これはハイエンドのものと比べても遜色のない視野角の広さです。幅広い視野で楽しみたい方は視野角も考慮に入れてみるとよいでしょう。
操作リモコンの有無
リモコンの有無も重要な要素です。リモコン操作でVR内の操作をコントローラーで行えるようになると体験出来るコンテンツが飛躍的に増えるためVR動画やVR画像を見ること以外のことができるようになります。ゴーグルに付属していなくても別売で販売されているものもありますので、調べてみると良いと思います。
【参考記事:スマホVRにおすすめのVRリモコンをご紹介(iPhone・Android)】
メガネの使用可否
VRゴーグルを使用するときに気になるのは眼鏡を付けたまま着用できるのかどうかですが、最近のVRゴーグルはスマホ対応のものであっても概ねメガネ対応しています。ダンボール製のゴーグルだとメガネ着用のままは厳しいものもありますが、ほとんどは問題ありません。ただし、メガネのサイズも関係していますので、スマートなフレームのメガネの方が違和感なく着用できます。
【参考記事:VRゴーグルはメガネかけたまま着用?メガネなしOK?】
ヘッドフォン内蔵の有無
良質なVR体験のためには視覚の要素以外に音の要素も重要になってきます。そこで可能ならヘッドフォンの内蔵されているゴーグルを選びたいところです。しかし、スマホ対応のVRゴーグルにはヘッドフォンが内蔵されているものはそれほど多くありません。Canbor VRゴーグルやJingXiGuoJi VR ゴーグルなどがヘッドフォン一体型のゴーグルで、3000円程度で入手できます。
ヘッドフォンが内蔵されていなくてもイヤホンなどをスマホ本体につなぐことができるゴーグルであれば音を楽しむことはできますので、そちらも確認をしてみるとよいでしょう。
焦点距離の調整可否
焦点距離が調整できるかどうかが最後のポイントになります。焦点距離が調整できると自分にとって一番きれいな視界で映像を見られるように調節ができます。Gear VR、Daydream View、Canbor VRゴーグル等では焦点距離の調節が可能です。
おすすめのスマホ対応VRゴーグル5選
今までスマホ対応VRゴーグルの特徴や選ぶ際のポイントを挙げてきましたが、ここでは実際におススメのゴーグルを紹介したいと思います。
(1)Gear VR
Gear VRはスマホ対応のVRゴーグルの中でも最も高価ですが、その分ハイクオリティなVR体験が可能なゴーグルです。コンテンツも充実しており、視野角も広く、解像度も高く、リモコンの操作性も良い、スマホでVRを楽しむなら間違いのないゴーグルといえるでしょう。唯一の欠点としては対応のスマホ機種が決まってしまっていることです。Galaxyスマートフォンを持っていない方はそちらも準備する必要があります。
【参考記事:Gear VRとは?Galaxyシリーズのスマホ対応VRゴーグル】
(2)Daydream View
Daydream ViewはGoogleのVRプラットフォームであるDaydreamに対応したゴーグルです。Gear VR同様、高価でスマホの機種が限定されてしまいますが、対応しているスマホのスペックも高いため非常に高性能なゴーグルになっています。非常に扱いやすく、ワイヤレスで接続できるコントローラーも魅力の一つです。対応スマホを持っているのであればぜひ使用したいゴーグルです。
【参考記事:Daydream Viewとは?Googleのスマホ用VRゴーグル】
(3)HOMiDO V2
HOMiDO V2は機種に依存せず、多くのスマホに対応しているゴーグルです。一方でGear VRやDaydream Viewほどではないですが、やや高価なゴーグルになっています。
高価な理由は何といってもレンズにあります。Gear VRを超える103°の視野角があり、映像も鮮明に見えるため、非常に良質なVR体験が可能です。精度の高いレンズを保護するため外見も非常にしっかりした作りになっていて高級感があります。また、ゴーグルを着用したままアクションボタンでスマホをタップできるのも魅力です。少し高くても良質なVR体験をスマホでしたいという方にはおススメのゴーグルです。
(4)DMM VR動画スターターセット
DMM VR 動画スターターセットは全国のドン・キホーテで発売されているVRゴーグルで、手ごろなお値段とDMMのVR動画プレイヤーアプリをインストールすれば、DMM.comのVRコンテンツが簡単に楽しめてしまうのが特徴です。VRを初めて体験する方、あまりお金をかけたくない方におススメのゴーグルです。
(5)Canbor VRゴーグル
Canbor VR ゴーグルもスマホの機種には依存しないタイプのゴーグルです。その特徴は何といっても120°の視野角です。この広い視野角で圧倒的な臨場感を楽しむことができます。ヘッドフォン付きでもあり、音も楽しめるゴーグルです。2000円前後と安い価格も嬉しいところです。
難点としては、ヘッドフォン付きのタイプにはリモコンが付いていないことです(1000円程度で別売)。そのため、スマホの操作がし辛いです。VR体験中にスマホを操作せず、動画や映像を臨場感を持って楽しみたい方にはおススメのゴーグルになります。
【参考記事:スマホVR「Canbor VRゴーグル」の使い方と評価レビュー】
まとめ
本記事ではスマホ対応のVRゴーグルを紹介させてもらいました。現在、最もお手軽なVR体験の方法はスマホでVRを楽しむことです。ゴーグルの種類によってコンテンツの内容や体験の質が少しずつ変わってきます。絶対に外したくないポイントを押さえたゴーグルを購入して、スマホVRの世界を楽しんでください。
【参考記事:PC専用VRゴーグルの比較ポイントとおすすめ3選】