VRゴーグル・ヘッドセット

PC専用VRゴーグルの比較ポイントとおすすめ3選

VRの動画ゲームはもう体験しましたか?これらのVRコンテンツはを体験するには専用ゴーグルが必要です。

VRゴーグルはPC用やスマホ用といったように、対応デバイスが決まっています。スマホ用なら安価な簡易ゴーグルもありますが、PCに接続して使用するゴーグルは高価ですし、PCスペックも高いものが求められ、気軽に購入できるようなものではありません。

そこで、納得のいく製品選びができるよう、PC対応VRゴーグルの比較ポイントやおすすめ商品をご説明します。

PC接続用VRゴーグルは高品質で高価

一般的にVRはPCやスマホ、Play Station4(PS4)などのデバイスを使用しますが、冒頭で説明した通り、デバイスごとに対応ゴーグルが異なります。例えばPC用ゴーグルはHTC ViveOculus Rift、スマホ用にはGear VRDaydream ViewやCardboard、PS4にはPlay Station VR(PSVR)といった具合です。

Play Station VR/©Sony Interactive Entertainment Inc.

PCやPS4に対応するVRゴーグルはヘッドマウントディスプレイ(HMD)やヘッドセットとも呼ばれ、スマホ用のゴーグルに比べると非常に高性能であり、そのぶん価格も高めです。

PC用ゴーグルはPCに接続して使用します。同梱されている機器でプレイヤーの位置や動きを読み取り、高い没入感でVRゲームやVR動画を楽しむことができます。

PC用VRゴーグルに使われているコントローラー

スマホ用ゴーグルは主にリモコンタイプのコントローラーが対応しており、ポインタを使ってVR内のオブジェクトに働きかけるものが多いのですが、PC用ゴーグルには基本的にモーションコントローラーと呼ばれるコントローラーが付属しています。

モーションコントローラーは手に装着または手に持って使うコントローラーで、手の動きを正確に感知してVR内の自分の手を動かしたり手に持った道具を使ったりすることができます。

その中でもHTC Viveのコントローラーは触覚のフィードバック機能も付いているので、コンテンツによっては触っている感触やモノの重みを感じることもできます。

HTC Viveのコントローラー(引用:VIVE/© HTC Corporation)

このコントローラーによって繊細な手の動きがVR内に反映され、様々な行動をとることができます。VR内で触覚まで反映されるとなると、VRで実現できることが格段に広がります。

PC接続用VRゴーグルの6つの比較ポイント

PC用ゴーグルは非常に高価なものが多く、それだけにどのゴーグルを選んでも大外れは基本的にありません。しかし、高価な買い物であればディテールにもこだわり、自分に一番合ったゴーグルを選びたいところです。

そこで、ここではゴーグル選択の際の比較ポイントを以下のようにまとめました。ゴーグル選びの際の参考にしてみてください。

  1. 価格
  2. 解像度
  3. 視野角
  4. 推奨PCスペック
  5. メガネ着用での使用可否
  6. コンテンツプラットフォーム

それぞれ順に説明していきます。

(1)価格

一つ目のポイントは価格です。やはり気になるところだと思います。代表的なPC用ゴーグルのHTC Viveは84,000円、Oculus Riftは50,000円です。これは本体価格ですので、他の周辺機器をそろえようとするとさらに数千円から数万円の費用が掛かります。

スマホ用ゴーグルが数千円で手に入ることを考えると、非常に高価であることがわかります。

(2)解像度

解像度とは画質のことです。PCやスマホのディスプレイに映る映像は非常に細かい点が集合してできているので、点が細かければ細かいほど綺麗な映像となります。

例を挙げると、HTC ViveとOculus Riftは同じ解像度で、2,160×1,200ピクセルです。VRだけでなくARにも対応しているWindows Mixed Realityは2,880×1,440ピクセルと、他の2つよりもさらに解像度が高いです。

(3)視野角

視野角とは視界の広さです。広ければ広いほど良いVR体験ができます。HTC Viveは110度、Oculus Riftは110度、Windows Mixed Realityは105度です。

ちなみに人間の現実世界での視野角は120度くらいだと言われています。現在も技術はどんどん向上していますので、より現実世界に近い視野角のあるヘッドマウントディスプレイの登場も遠い話ではないはずです。

(4)推奨PCスペック

PC用ゴーグルを利用する際は、より良いVR体験をするためにデバイスであるPCにも最低限のスペックが要求されます。

PCスペックを考える際に必要な情報はGPU(Graphics Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、ビデオ出力インターフェース(HDMIまたはDisplayPortのバージョン)、USBポートの規格、そしてOS(Operation System)です。それぞれのゴーグルの公式サイトでPCの動作テストが可能ですのでご安心ください。

(5)メガネ着用での使用可否

メガネ着用中でもゴーグルをかけることができるのかどうかは気になるところですが、多くのゴーグルはメガネ着用中でも装着できるので実はそれほど気にすることはないです。しかしハイエンドHMDの中ではOculus Riftがメガネのサイズによっては少し圧迫感があるかもしれません。

メガネが気になる方はコンタクトレンズに変えておくか、メガネのフレームをスマートなものに変更しておくとよいでしょう。

【参考記事:VRゴーグルはメガネかけたまま着用?メガネなしOK?

(6)コンテンツプラットフォーム

最後のポイントはゲームなどのコンテンツを配信しているコンテンツプラットフォームです。当然のことですが、プラットフォームによって体験できるコンテンツは異なります。

自分がどのようなVRコンテンツを体験したいのか考えて、その上でそれを体験できるプラットフォームに対応したゴーグルを選択する必要があるでしょう。

おすすめのPC専用VRゴーグル3選

それでは上述したポイントを基準に表を作成しましたので、それを見ながら実際にPC用VRゴーグルを比較していきましょう。

PC用VRゴーグル比較表(クリックで拡大)

(1)HTC Vive

© HTC Corporation

HTC ViveはOculus Riftとツートップのシェアを誇るPC用HMDの代表的な存在です。

値段は高めの設定ですが、トラッキング精度などのコントローラーの機能が非常に高く、別売されているトラッカーなどの周辺機器も充実しているため、個人だけではなく「VR ZONE SHINJUKU」のような大型のVR体験施設でもよく使われています。

HTC Viveは本体同梱のセンサーのみでルームスケール(部屋サイズ)のVR体験が可能です。その際の安全性を考え、現実世界での動作可能範囲をあらかじめ設定しておく「Chaperone(シャペロン)」と呼ばれるシステムが導入されています。VR内でその範囲から出そうになると警告をしてくれるので、現実世界の壁や家具などに体をぶつけてしまう不慮の事故を防ぐことができます。

PCスペックも高いものが必要になりますが、その分高度なVR体験が可能です。

プラットフォームはSteamVRのみですが、Steamはゲーム配信プラットフォームとしては非常に大規模でリリースされているゲームも多く、コンテンツ量に問題はありません。


<HTC Viveの購入はこちら>

【詳細記事:HTC ViveはVRヘッドマウントディスプレイ(HMD)の代表格

(2)Oculus Rift

© Oculus VR, LLC.

Oculus RiftはHTC Viveと並んで有名なPC用HMDで、昨今のVRブームの火付け役となったとも言える製品です。

Oculus Riftの標準コントローラーとなっているOculus Touchは赤外線LEDでトラッキングを行うもので、追加の赤外線センサーと合わせて2基のセンサーによってトラッキング精度の向上と安定化を図っています。

価格はHTC Viveよりもやや低い設定です。ゴーグルの幅がHTC Viveに比べるとやや狭いので、メガネ着用の場合は圧迫感があるかもしれません。

コンテンツはやはりSteamなどで配信されているVRゲームがメインですが、ゲーム以外にもOculus VideoやOculus 360 PhotosなどでVR映像や写真を楽しむこともできるようになっています。

<Oculus Riftの購入はこちら>

【詳細記事:Oculus RiftはVRブームの火付け役となったHMD

(3)Windows Mixed Reality

引用:Windows Mixed Reality/© Microsoft

Windows Mixed Realityは名前からも分かる通り、マイクロソフト社が発表した製品です。

製品名にMixed Realityという言葉が使われており、VR体験のみに対応したゴーグルではありません。Mixed Reality(MR)とは、VRに加えてAR(Augmented Reality)などをすべて含んだ概念で、同社が以前に発表しているHoloLensにも用いられた概念です。ただし、HoloLensのように透過性のある製品ではないのでVR体験も可能となっています。

【参考記事:VRとは?その意味とAR、MRとの違いについて

上述の2種に比べると視野角がやや狭いのですが、その分解像度が高く鮮明な映像でVR体験が可能です。
また、トラッキング技術にインサイドアウト方式を使用しているため、外部センサーなしで自由に動き回ることができます。

Windows Mixed Realityはマイクロソフトと提携してMRヘッドセットを開発している企業ごとにそれぞれ異なった製品が発表されています。Acer、HP、DELL、Lenovo、富士通の5種類です。それぞれの製品のスペックはほぼ同等ですが、重量やデザインなどに差があり、価格も少しずつ違っています。

発売が上記2種よりも遅かったためHMDとしてのシェアではまだまだ負けていますが、コンテンツも多くこれから伸びてくる製品でしょう。


<Windows Mixed Realityの購入はこちら>

【参考記事:Windows Mixed Realityとは?PC用ハイエンドMRヘッドセット

まとめ

PC用VRゴーグルは非常に高品質なVR体験ができますが値段が高く、また大きな動きを伴うものも多いため、スペースの確保も必要となります。さらにPC本体に求められるスペックもかなり高いため、そちらも購入すると合計で20万円近くかかることもあるでしょう。そういった意味ではVRを本気で体験したい方向けの製品になります。

VR体験をしたことがない方は、一度スマホやVR体験施設でVRを楽しんでみることをおすすめします。そしてVRに強い興味を持ったなら、ぜひPC用VRゴーグルを購入してください。

【参考記事:スマホ対応VRゴーグルの比較ポイントとおすすめ5選