VRゴーグルは2000円前後で買えるものがたくさんあり、中には1000円以下で買えるものもあります。一方で、5万円を超えるような高価なVRヘッドセットもあります。あまりにも大きな価格差がありますが、なぜそんなに違うのでしょうか?買うときには何を基準に選べばいいのでしょうか?
そこで、ここではメジャーなVRゴーグル・ヘッドセットについて、その値段や機能の違いを徹底的に比較します。
安物と高級なVRゴーグルは何が違う?
VRゴーグルは大まかに分類すると、スマホを利用して手軽にVR体験ができる簡易的なゴーグルとパソコンやゲーム機(PlayStation4)に接続して本格的なVR体験ができるヘッドセットの2種類に分けられます。そのもっとも大きな差は、VR空間への没入感です。
没入感のより高いPC用はスマホ用よりも高価
スマホ用の簡易的なゴーグルは、スマホでVRアプリを表示しゴーグルを通してみることで立体的に見ることができます。映画館で3Dの映画を見ているような状態なので、VR動画を見るのに適しています。
一方、パソコンやゲーム機と接続して使うハイエンドなヘッドセットは、高い没入感により、いっそうVRの世界の中に入っている感覚が強く、VR動画はもちろんのことVRゲームにも適しています。
前者のスマホ用VRゴーグルは比較的安価で、後者は高価になっています。
スマホ用VRゴーグルにも高い没入感を得られるものがある
スマホ用VRゴーグルの中にも、特定のスマートフォン専用に開発されたGear VRやDaydream Viewのように、ハイエンドなヘッドセットに匹敵する性能を持っている高価なゴーグルもあります。
最近ではスタンドアロン型(一体型)といって、スマホやPCなどを必要とせず、ヘッドセット単独で再生ができるものも開発されています。価格はスマホ用簡易ゴーグルとハイエンドなヘッドマウントディスプレイの中間といったところです。
没入感の差が出る理由
このように、VRゴーグルの価格差が没入感の違いを生むのですが、その理由は、値段が高いものほど視野角やリフレッシュレート(値が高いほど画像が滑らかに表示される)が高かったり、高度なトラッキング技術やモーションコントローラーにより利用者のこまかな動きをVRの世界の中に反映したりするなどの趣向が凝らされているからです。
とはいえ安いVRビューアでも充分にVR動画を楽しむことができますので、用途によって使い分けるとよいでしょう。
VRゴーグル徹底比較(低価格帯)
低価格帯のVRゴーグルは、1000円未満のものから4000円前後のものまであります。安い物でもVRを楽しむ上で最低限の機能を備えていますが、価格の高いものは、リモコン付きだったり、ヘッドフォンが内蔵されていたり、長く遊んでも疲れにくいよう装着感にこだわったりなどの違いがあります。各VRゴーグルの特長に着目し、自分の好みに合うものを選ぶとよいでしょう。ただし、自分の持っているスマホに対応しているかどうかは必ず確認してください。
(1)Habor 3D VRカードボードゴーグル
1000円未満で購入できる段ボール素材の組み立て式ゴーグルです。所詮は段ボールと侮ることなかれ、吸盤でしっかりとスマホを固定でき強度も意外とあります。さらに鼻あてやおでこテープなどの工夫があり、他の段ボール製品にありがちな「鼻がこすれて痛い」「額の汗で汚れてしまった」などの問題もありません。とりあえずVRを体験してみたいという人におすすめです。
(2)VOX PLUS Gear+ 3DVRゴーグル
片方ずつピントの調整ができるので近視の人でもメガネなしでVRが楽しめます。バンドとスポンジは取り外して洗えるので衛生的。収納袋付きなのもうれしいですね。こちらの「Gear+」以外にも、ヘッドフォン一体型の「BE」、手触りや艶消し素材などデザインにこだわった「FE」などがあります。
(3)EchoAMZ 3D VRゴーグル
Bluetoothリモコン付きで2000円程度、視野角も最高レベルの120度で人気の高い商品です。ヘッドフォンは内蔵されていませんが、スマホに手持ちのイヤホンを挿入したままで使用できます。コスパに優れた逸品です。ただし、iPhoneとリモコンとの互換性があまり良くなく、iPhoneの場合は音量調節しかできないので注意してください。
(4)Canbor VRゴーグル
第三世代となるこちらのモデルは、最高レベルの視野角120度、放熱性に優れており着け心地も抜群です。最大の特徴はマイクロフォンが付いていることで、ゲームや通話の際に便利です。ただし、対応のスマホサイズが4.7~6.2インチなので、iPhone5S等小さいサイズのスマホで利用する場合は、旧モデルや他のゴーグルがおすすめです。
【参考記事:スマホVR「Canbor VRゴーグル」の使い方と評価レビュー】
(5)Urgod 3D VR ゴーグル
2018年最新モデルでは、6.2インチのスマホに対応し伸縮できるヘッドフォンがつきました。顔に接する部分のスポンジを取り外して洗うことができます。小さめサイズのスマホを利用している方にはヘッドフォン無しの旧モデルもおすすめです
(6)Gooice 3D VR ゴーグル
リモコン付でヘッドフォン内蔵型のゴーグルが欲しいという人に人気の商品です。日本語の説明書付きなので安心です。120度の視野角に、近視800度・遠視400度にまで対応できる焦点&瞳孔距離調整が可能で、機能も申し分ありません。
VRゴーグル徹底比較(高価格帯)
高価格帯のヘッドセットはヘッドマウントディスプレイとも呼ばれます。解像度やリフレッシュレートが高く、なめらかで自然なVR体験が可能です。外部センサーやコントローラーにより利用者のこまかな動きまでVRに反映し、没入感を高める工夫がされています。パソコンと接続して使うタイプのものは高性能なパソコンが必要となるので注意が必要です。
(1)Galaxy Gear VR
スマホ用VRゴーグルの中で最も高額ですが、PC接続のヘッドセットにも勝るとも劣らない品質。Galaxyのスマホを持っているなら強くおすすめしたい商品です。タッチパッド機能もあるリモコンがセットになっていて便利です。最新モデル(SM-R325)は、GalaxyNote8にも対応しています。
【参考記事:Gear VRとは?Galaxyシリーズのスマホ対応VRゴーグル】
(2)PlayStation VR(PSVR)
既にPlayStation4を持っているならこちらがおすすめです。2017年10月に発売された最新モデル(CVH-ZVR2)では、煩わしかったケーブルの本数が減り、音量調節ボタンが本体に付いて操作性がアップしました。瞳孔距離の調整は、本体設定ではなくテレビ画面を使って行います。
【参考記事:今さら聞けない!PlayStation VR(PSVR)ってどんなもの?】
(3)Oculus Rift
高性能のパソコンを用意する必要がありセッティングも大掛かりなものとなりますが、本格的なVR体験ができます。赤外線カメラを利用して、腕を振る・しゃがむなどの動作をとらえてVR空間に反映するので、VR空間をリアルに動き回っているような感覚になれます。特に物をつかんだり握ったりする感覚がリアルに感じられます。
【詳細記事:Oculus RiftはVRブームの火付け役となったHMD】
(4)HTC Vive
こちらも高性能のパソコンを用意する必要があります。外部センサーを利用して、歩いたりしゃがんだりといった動作をVR空間内に反映することができます。センサーで感知できる範囲も広いので、VR空間内を歩き回ることが可能です。広い空間を確保できる人におすすめです。
【詳細記事:HTC ViveはVRヘッドマウントディスプレイ(HMD)の代表格】
(5)Windows Mixed Reality
前述のRiftやViveと比べて、スペックが低めのパソコンでも遊べます。複数のメーカーから発売されており、多様なデザイン・価格帯から選ぶことができます。外部センサーはなく、大掛かりなセッティングは不要。ヘッドマウントディスプレイに内蔵されているカメラで周囲の景色を撮影し、位置を計算する仕組みになっています。
<Windows Mixed Realityの購入はこちら>
【詳細記事:Windows Mixed Realityとは?PC用ハイエンドMRヘッドセット】
(6)IDEALENS K2(アイデアレンズ ケーツー)
こちらはスタンドアロン型のヘッドマウントディスプレイ。スマホやPC不要で、これだけでVRの再生ができます。東京ゲームショウなどのイベントでVRを体験したり、テーマパークで導入されたりしていますが、個人で購入することも可能です。
まとめ
様々なVRゴーグル・ヘッドセットを比較してきましたが、いかがでしょうか。価格によってスペックや使用感は異なります。安価なものでもVRを楽しむことはできますので、VR初心者の方にはスマホ用の簡易ゴーグルがおすすめです。その後は用途や楽しみ方に応じて高価なヘッドセットを購入してみてはいかがでしょうか。