VRビジネス

VR広告とは?広告効果・事例・将来性について

VR広告とは、VR空間上に表示される広告です。TVやインターネット、チラシや看板などの広告とは異なり、その表現方法は平面とは限りません。空間上の平面に 表示することもあれば、360度のVR空間を最大限に生かした広告展開も可能です。

今後ますます注目されるVR広告について、その詳細や事例について説明します。

VR広告とは?その効果と将来性

VR空間上に表示にはどのような効果が期待できるのでしょうか。また、将来的にはVR広告がどのようなものに発展していくのかについて、ご紹介していきます。

VR広告は非常に有用な広告

スマホアプリを実行中に画面に表示される広告と同様に、VRゲームの最中に表示される広告の効果を確認する実験が行われました。行ったのは動画広告のYuMe、デジタル広告代理店のIsobar、VRコンテンツスタジオのRLTY CHK、VRメディア分析サービスのRetinadVRなどによるグループです。その結果、VRでの広告は体験する消費者にとって非常に強く関心を引き付ける効果があるということがわかりました。

引用:Virtual Reality Advertising Delivers Highly Memorable Brand Experiences, According to New YuMe Study / Business Wire

実験では、ゲームプレイ中に以下の3種類のVR広告が表示され、体験者の生態データ計測や、広告の内容について調査が行われました。

  • 360度動画型広告
  • 画面に表示されるブランドロゴ
  • 実際に触ることができる3Dのブランド広告

この実験の結果、VRゲーム内で表示する広告には非常に高い効果があると報告されています。また今回実験に使用された3種類の広告形態の中でも、VR動画による広告が最も効果的であると報告されています。

この実験結果からわかる通り、VR広告はこれまでのものに比べ、ユーザーに対して広告内容への関心を喚起する強い効果があり、非常に有用な広告であるといえるでしょう。

企業がこぞってVR広告へ参入

VRはゲームや動画など様々なジャンルでの活用が広がっています。そして、GoogleやVRゲームなどを開発する際のツールや環境を提供しているUnity、その他にもたくさんのベンチャー企業がVR広告へ参入しています。

また、AdvrtyはVR環境内で自然に広告を表示し、ユーザーの体験を阻害しないVR広告を開発しました。このように、ゲームや動画コンテンツに加え、これからはVR広告が加わることによってVR市場というものがさらに発展していくとともに、これまでの広告を変える大きな可能性があるといえるでしょう。

VR広告の事例

これまでは、VR広告の利用状況やその効果についてお伝えしてきました。では実際にどのようなVR広告が活用されているのでしょうか。ここからはその具体的な事例についてご紹介していきます。

VRize Ad

© VRIZE

株式会社VRizeはVR空間内での広告システムの開発を行っています。VRizeが提供するVR広告には3つの形態があり、360度動画型のもの、映画館で広告を見ている体験を得ることができる2D動画型のもの、企業ブランドのロゴなどを3Dで表示させるものといった広告が展開されています。

これらのVR広告を、アプリの実行中に任意のタイミングで表示することが可能となり、これからはまずスマートフォン向けの環境で導入されていく予定です

Immersv

この「Immersv」は、スマートフォンで使用するVRに向けた広告配信プラットフォームです。ゲームアプリなどでコインやクリスタルなどの報酬を得る代わりにユーザーへ視聴してもらう動画リワード広告や、VR広告を配信するためのネットワークとして活用することができます。これまでには、ハワイでの観光促進を目的とした「Let Hawaii Happen」といったアプリで実際に活用されています。

Advrty

スウェーデンで広告サービスを扱うAdvrty社は、VR空間で広告を表示するためのシステムについて開発を行っています。この会社が開発しているシステムでは、VRアプリを実行中にユーザーの体験を阻害せず、コンテンツとうまくなじませながら広告を自然に表示することを重視しています。

例えば、VR空間内でユーザーが今どこを向いているか、どの物体に注目しているかという視線を追跡し、注目している場所にさりげなく広告を表示することができます。これまでには、VRで雪合戦を行うゲームアプリの中でコカコーラ社の広告が実際に使用されています。

Google

出典 https://area120.google.com/

大手企業のGoogleは、キューブ型のVR広告を開発・公開しています。VR広告の活用は活発になってきていますが、スマートフォンなどのモバイル環境での広告では実装が難しい場面が多くあります。Googleが行っているのは、キューブ型のオブジェクトをVR環境内に配置し、コントローラーを使用してその物体にアクションを起こすと動画広告が拡大表示されるというものです。

VRコンテンツの開発には多くの個人開発者が存在していますが、その中に広告を取り入れる際にはできるだけ簡単に、編集のしやすいシステムが必要でした。今回公開されたキューブ型のVR広告は、その点VR開発者にとって広告を導入しやすい効果があるため、今後さらにVR広告を促進する取り組みであるといえます。

まとめ

VRコンテンツはゲームや動画など様々なジャンルでの活用が進んでおり、その利用中に表示する広告の開発が活発化しています。VR空間での広告表示は、体験者の興味を引き付ける非常に有効な効果があり、今後ますます導入される場面が増えていくことでしょう。