現実世界に映像や情報を重ね合わせる技術「AR(拡張現実)」を使用したスマホアプリは多数リリースされています。写真や動画の加工や、本来その場に存在しないはずの生き物やキャラクターを表示させるなど、様々なバリエーションがあります。
そこで、おすすめのiPhone、Android対応ARアプリ10選をご紹介します。
AR(拡張現実)とは
ARはAugmented Realityの略称で、日本語では拡張現実と訳されます。コンピューターグラフィックス(CG)を用いて、現実の世界に映像を浮かび上がらせる技術です。
近年は兄弟のような関係にあるVR(Virtual Reality)のブームや、ARを利用したスマホアプリ「ポケモンGO」の大ヒットなどで非常に注目されている最先端技術です。ARを利用したスマホアプリも続々と登場しており、非常に身近な技術となりつつあります。
【参考記事:ARとは?VRとの違いやビジネス活用事例をご紹介】
おすすめARアプリ10選(iPhone、Android)
ARはVRほど有名な言葉ではありませんが、実は体験はARの方が簡単なことが多いです。VRは技術の性質上、ヘッドセットのような道具が必要ですが、ARはスマホカメラに映った現実世界に映像を重ね合わせることで体験できるので、スマホ単体でも体験可能です。その特性を生かしたアプリがたくさん出てきているので具体的に見ていきましょう。
AR TOUR 〜OCEAN〜
最初に紹介するのはAR TOUR 〜OCEAN〜です。このアプリはアララ株式会社が開発した教育用ARアプリです。iOSのみに対応しています。
スマホカメラを通じて現実世界の空間に実物大の海生生物を3DCGで表示します。魚の動きまで忠実に再現されており、使用者のそばを泳いで横切っていく魚の観察もすることができます。
基本的には教育用アプリとして開発されたものですが、単純に海の中や水族館にいるような気分にもなれるアプリといえるでしょう。
AirMeasure
続いては現実世界のものの長さを測ることができるAirMeasureというアプリです。やはりカメラを通して現実世界を映し出し、任意の点を指定することで、その点の間の距離を測ることが可能です。
便利なアプリですが、あくまでエンターテイメント目的で作られているので、実際のメジャーで測ったときのような正確な数値は測ることができません。そのため、重要な時には使わない方が良いでしょう。あくまでARを体験するアプリの一つと考えて使用した方がよさそうです。
わたしの はらぺこあおむし AR
誰もが一度は読んだことがあるであろうエリック・カールのベストセラー絵本「はらぺこあおむし」がARになりました。もともと知育用アプリとして作られた「わたしのはらぺこあおむし」がARになったものです。
お腹をすかせたあおむしがいろいろなエサを食べて最後には美しい蝶になるという原作のストーリーを基盤に据えて、あおむしにエサをあげたり、おもちゃで遊んだりすることができるアプリです。
元のアプリは普通のスマホアプリでしたが、AR版になったことで現実世界の部屋の中にあおむしがいるように感じられるようになりました。今まで以上に「わたしのあおむし」という感じが強いアプリになっています。
星座表
続いてはARを使って夜空の星座を学ぶことができる「星座表」というアプリです。スマホを夜空に向けるとGPS機能や3D Universe機能により、画面と実際の星座の位置を割り出し、実際の星空に重ね合わせて星座の3D映像を映し出してくれます。
また、検索機能も付いているため、近くの星座や惑星検索も可能です。どこにあるかわからない星座を探すときや、太陽、火星、木星などの恒星や惑星を見たい時には非常に便利です。有料の拡張機能として、流星の見える場所の検索、彗星や衛星の追跡機能を付け加えることもできます。
どこにいても使えるアプリなのでぜひ一度試してみてください。
Quiver – 3D Coloring App
次に紹介するのは「塗り絵」を使って遊べるARアプリ「Quiver – 3D Coloring App」です。子どもはもちろん大人でも久しぶりにやってみるとなかなか楽しいものです。
下絵をQuiverの公式サイトからダウンロードしてコピーし、色鉛筆やクレヨンで塗り絵をしていきます。塗り絵が終わったらアプリを起動してホーム画面下部にある蝶のボタンをタップ、カメラモードに切り替わるので先ほど色を塗った塗り絵をカメラに映してください。すると、塗り絵が紙から飛び出して3Dで動くようになります。「飛び出す絵本」のようなイメージです。
先ほどまで2Dだったキャラクターが3Dになり動き始めることで、楽しいだけでなくいろいろな角度から眺めることもできるようになります。大人でも童心に戻って楽しむことのできるアプリです。
LightSpace – 3D painting in AR
スマホカメラを通して映し出した空間に3Dでペイントのできるアプリが「LightSpace – 3D painting in AR」です。
スマホを使ったARペイントというとスマホに映った空間を指でなぞってペイントしていくという方法だと思われる方が多いと思います。しかし、このアプリではスマホ画面に指を置いたままスマホ本体を動かしてペイントをしていくという変わった手法をとるアプリです。
慣れるまではなかなか大変かもしれませんが、慣れてくるとただ指でなぞるタイプのアプリよりも非常にダイナミックな絵を描くことができるようになります。ARを生かして自分の家や近所にアート作品を生み出してみてください。
AR Missile – Automatic Target Tracking
ミサイルを撃ってみたいと思ったことはありませんか?現実世界でミサイルなんて撃ったら大変な騒ぎになってしまいます。しかし今はARを使えばミサイルを撃つこともできる時代なのです。
AR Missile – Automatic Target Trackingは最大32発連続で発射可能な高性能自動追尾型ミサイルをターゲットに向かって発射できるスマホアプリです。自動追尾なので発射後にスマホが動いて視界がずれてしまっても、確実にターゲットにミサイルは向かっていきます。
とても楽しくストレス解消にも最適なアプリですが、現在はiOSでのみダウンロード可能となっています。Android派の皆さんは対応アプリの発表を期待していてください。
Makebox AR
Makebox ARはスマホを使って現実世界に3Dモデリングをすることのできるアプリです。積み木のような感覚で誰でも簡単にモデリングをすることができます。
毎日変わるお題に挑戦することも可能で、良い作品が思いつかなかったり、作りたいものが無い場合でも、毎日気軽にお題に合ったモデルの作成ができます。
作った3DモデルはMakebox のアプリからWebに投稿することができ、他のユーザーに見てもらうことも、逆に他のユーザーが作った作品を見ることもできます。また、iOSでは他のユーザーの作品を編集することも可能です。
SNOW – ARカメラ
最近、女子中高生などの若い女性層を中心に大人気となり、SNS上でもよく見られるアプリ「SNOW」ですが、このアプリに使われている技術も実はARです。単純にARアプリであるだけでなく、優れた顔認証機能やスタンプ機能、手軽に加工動画作成が行えることなどが人気の原動力となっています。
SNOWはもともと静止画像を加工するアプリだったのですが、アップデートで追加された動画機能はInstagramのストーリー機能などと非常に相性が良く、日本や韓国を中心に一気にブームとなりました。現在もブームは続いており、ポケモンGO以来の大ヒットアプリといっても良いかもしれません。
IKEA Place
最後に紹介するのは大手家具量販店「IKEA」の「IKEA Place」というアプリです。家具を置く際にはサイズを測ったり、その部屋の雰囲気とあっているかどうかなど考えたりすることが多くなります。そんな時にこのアプリがあれば、現実世界の映像に実際に家具を置いてみるシミュレーションができます。
アプリを起動したら、家具を置く床をカメラでスキャンして、置いてみたい家具を選択して置きたい場所においてみるだけです。非常に簡単に購入前のシミュレーションを行うことができます。
部屋でもオフィスでも学校でもどこでも利用できるため、IKEAの家具購入を考えている方はぜひ試してみると良いでしょう。
まとめ
スマホカメラを使って体験できるARは手軽で非常に便利です。しかし現在はアップルのAR技術「AR kit」を備えているiOSにアプリの数が偏ってしまっている印象があります。とはいえ近い将来iOS以外でも体験可能になるアプリは多いと思います。非常に便利でユニークなアプリも多いので楽しみに待ちましょう。